館長の挨拶

 皆さま「剣道クラブ・勇翔舘」のホームページをご覧いただき、有り難うございます。

 埼玉県川口市の善行寺(浄土真宗本願寺派)の住職を務めさせていただいています。
またご縁をいただき勇翔舘の設立発起人に名を連ねさせていただき、初代館長を務めさせていただいてます。
 
江戸時代まで日本では子どもの教育の場としてお寺を中心とした「寺子屋」が全国各地にありました。そして、その寺子屋では子ども達に読み書きや算術などを教えるだけでなく、人としてこの世に「命」をいただく事の有り難さや尊さ、そしてその人生を歩む道や生き方を仏の教えから伝えてきたのが、日本各地の「お寺の寺子屋」という存在でした。

しかし時代が変わり、私たちの現代社会は核家族化が進み、先述しましたような先人方の教えや、仏の教えから「自らのいのち」を「有ること難し」と感謝し、性別や世代、民族や人種が違えども「他者を尊重する」教えを伝え聞かせていただく場が、子どもだけでなく大人もまた日常生活の周りに少なくなっている現状があると思います。
 
このたび勇翔舘の設立発起人に住職として名を連ねさせていただきましたのは、剣道を通して「心と身体」を鍛えることは勿論のこと、「人としてこの世に命いただいた」ことをあらためて見つめ、そこに多くの方々の「おかげ」があり、その先に続く「自らの人生の歩み」として、そして人間としての報恩感謝を忘れない「大人」になる一助となる剣道クラブを目指してのことでございます。

また、勇翔舘が現代版の「寺子屋」の理念を引き継がせていただき、稽古を通して「剣の道」の向上と、「人としての道」をご子息やご息女だけでなく、保護者の皆さまも「有ることが難しい自らのいのちと多くのご縁」として、感謝の心と他者を思いやる気持ちを持てる勇翔舘となることを住職として願っています。
 
季節毎には善行寺の本堂で「親子で聞かせていただく住職の法話(寺子屋)」を勇翔舘の参加者の皆さまに取り次がせていただいています。どうぞ、勇翔舘の理念にご賛同いただける皆さまのご参加、そしてご入会を心よりお待ちしています。
合掌
 
勇翔舘 館長 吉井誠光